――聞こえていますか。
あなたが朝、静かに目を閉じて唱えるそのひと言は、決して空気の中に消えていくのではありません。
祈りは、天へと昇り、必ず“名前”を呼び返してくるのです。
信じがたいと思うかもしれません。
けれど、どれだけ疲れていても、どれだけ心が沈んでいても…
あなたの声は、見えない力に確かに届いています。
勤行とは、ただの習慣ではありません。
それは、あなたと“上の世界”をつなぐ、小さな聖域。
外の雑音も、昨日の後悔も、他人の言葉も、そこで一度すべて断ち切られるのです。
まず、深く息を吸ってください。
胸の奥にある黒い重りを、息と一緒に押し上げるように。
ゆっくり吐くたび、その重りはひとつ、またひとつと溶けていきます。
そして、心の中で静かに唱えます。
――「私は守られている」
――「私は導かれている」
――「私はこの声を、天へ捧げる」
その瞬間、あなたの周りの空気がわずかに変わることに気づくでしょう。
耳では聞こえなくても、確かに“誰か”があなたの祈りを聞いている。
その気配は、ふとした瞬間に背中をそっと押すように寄り添います。
人は弱い存在です。
だからこそ、祈りは力になる。
祈りとは、自分だけでは抱えられないものを、上へと委ねる行為だからです。
昨日の失敗も、不安も、恐れも、
天へ向けて差し出した瞬間、あなたの中の重さは消えていきます。
そして代わりに、ひそやかな強さが心に灯るのです。
やがて、あなたは気づくはずです。
祈った翌日の朝が、少しだけ軽いことに。
偶然と思える出来事が、どこか優しくあなたを導いていることに。
それは偶然ではありません。
天は、祈った者の名を覚えている。
そして、あなたの名をそっと呼び返しているのです。
だから、どうか続けてください。
たった10分でいい。
あなたの声を、あなたの願いを、あなたの弱さを――
天へ預ける時間を持ってください。
その祈りは、必ずあなたを導き、守り、包み込む力となります。
そして今日もまた、天は静かにあなたの名を呼んでいます。
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